クレジットカード統計の大幅水増し [日本クレジット協会]

au WALLETカードプリペイドカードでありクレジットカードではありませんが。

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日本クレジット協会により、過去10年間のカードの発行枚数と取引額などの統計数値が大幅に下方修正され、長年誤った数値を公表し続けたずさんな管理体制が発覚した。

ホーム>クレジット関連資料>統計の一番下「4.過去の(一社)日本クレジット協会の調査結果に基づく統計」に「平成26年12月26日付で訂正」の文字が見られる。

平成26年12月26日付で訂正

クレジットカード発行枚数・契約件数」の訂正前と訂正後は、以下の通り。

訂正前
クレジットカード発行枚数・会員契約数(訂正前)

訂正後
クレジットカード発行枚数・会員契約数(訂正後)

日本クレジット協会は、2014年12月26日、クレジットカードの利用額や発行枚数などの過去10年分(平成15年~24年)の数値の訂正をホームページにひっそりと掲載した。
例えば、カード利用額は24年の53兆2541億円(前年比7.4%増)から40兆6863億円(同7.7%増)に修正。
発行枚数(25年3月末時点)も3億2352万枚(同0.6%増)から2億5979万枚(同0.2%減)といずれも大きく減少した。
発行枚数にいたっては微増傾向から、実際は3年連続で前年割れしていることが新たに分かるなど、統計の信憑性に疑問符がついた格好だ。

関連:クレジットカード統計「大幅水増し」はなぜなされたか (1/4) (産経新聞)

ただ、ある業界関係者は、今回の統計修正の背景について、某大手クレジットカード会社が数値を二重計上し、数値を水増しした可能性を指摘する。
「発行枚数や利用金額はカード会社の勢力図の象徴。顧客がメーンカードとして使っているか分かってしまう」ためだ。

関連:クレジットカード統計「大幅水増し」はなぜなされたか (2/4) (産経新聞)

1人あたりのカードの月間利用金額は約5万円。
大半の利用者は決済に伴うポイントを集めるため、1枚のカードに利用が集中する傾向がある。
つまり、会員数が多くても利用総額が少なければそのカードの利用頻度が低いとみられる。
カードの発行枚数と取引額は、新規顧客や加盟店の獲得、提携先拡大などを左右する指標ともいわれ、業績に直結しかねない「生命線」。
インターネットでの買い物が浸透し、カードでの支払いが広がる中、カード業界は銀行系、流通系、自動車系など競争は熾烈を極めており、今回の統計訂正はカード会社の競争激化が背景にありそうだ。

関連:クレジットカード統計「大幅水増し」はなぜなされたか (3/4) (産経新聞)

ただ、電子マネーの多様化や、「おサイフケータイ」など決済機能が内蔵された携帯電話の普及が進む中、日本総研の岩崎氏は「クレジットカードという「世界」がいつまで意味を持つのか疑問だ」と指摘する。
岩崎氏は「決済システムが国民に欠かせない重要な社会インフラになりつつある中、官民でクレジットカードの統計のあり方自体を考えるべきだ」と話す。

関連:クレジットカード統計「大幅水増し」はなぜなされたか (4/4) (産経新聞)